PTAの学校への寄付・寄贈及び学校からの依頼について(市P協【見解】)

こちらは横須賀市PTA協議会の見解です。

2023.05.31(追加・修正)下線部分が新規追加・修正部分

2023.12.1(周年事業について追加)

●原則PTAから学校への寄付・寄贈はNGと考えてください。

●但し寄付・寄贈ができる場合があったとしても、まず前提として「PTAが100%任意加入であること」が必要です。「半強制加入で徴収したPTA会費からの寄付・寄贈」については、学校は受け取れません。

■法律としては
①学校教育法「学校設置者が学校経費を負担する」と定められている
②地方財政法「本来公費で負担すべきお金を私費(保護者負担金)やPTA会費で負担することは違反」

■寄付・寄贈がNGである理由
①PTAは元々、入らない人がいて当たり前の任意加入団体なので、その会費を学校でどうしても必要な費用にあてている現状に、そもそも問題がある。

②寄付とは自発的な意思に基づいて行われるものであるため、入会届などをとらずに半強制的に加入させられて会費を取られているPTAだとしたら、学校は寄付を受け取れないことになる。

③寄付・寄贈はPTAの自発的な意思に基づいて行われるべきなので、本来は学校からの依頼はNGになる。保護者が●●が足りないからぜひPTAで何とかしたいという自発的な意思(会員の総意)が必要。

■寄付・寄贈ができるかもしれない場合
①学校が教育をするための最低限の設備や備品以外の、プラスアルファの部分(県や市が公費で賄うべきと設定している基準以上のものを要望するなど)については、寄付しても良いかもしれないので、学校と要相談。

②周年行事の寄贈についても考え方は①と同じ。
・県や市が公費で賄うべきと定める設備・備品以外のものであれば問題無いと考える。(例えば植樹など)
・寄贈したいものが、公費で賄うべきと定められているかどうかは学校側に確認。
・寄附・寄贈する場合には、学校に目録を渡しましょう。

※①②の前提
・100%任意加入のPTAであること。
・予算書にはっきりと記載して、総会で会員の総意を得ましょう。不明瞭な会計は避けるべきです。
・PTAの自発的意思であること。(学校からの要望ではないこと)

■補足
①バザーについて
例えば学校に冷水器を寄付したいので、会費から購入するのではなく、それを名目としたバザーを開催して冷水器を購入して寄付するのはどうか。(運営はPTAだが、PTA会員以外の方にも参加してもらう)
バザーに参加してくれた方は、100%目的に賛同してくれた人たちなので、問題はないのではないか。
→会費を使うよりは良い。ただし、バザーを運営した人たちが強制的に加入させられたPTA会員だったら少し問題。

②学校の備品をPTAが購入するのは寄付にあたるのでNGですが、学校の備品では不足していると感じているものを、PTAの備品として設置することは寄付に当たらないと考えます。例えば教室を除菌する衛生用品が学校購入分では不足していると思うので教職員を含むPTAが使用する消毒液など衛生用品をPTA備品として購入する。酷暑が続く中窓を開放して換気しながらのクーラーでは効きが弱く、熱中症の恐れを感じるので冷水機を購入など。

③ベルマークにおける寄贈について
ベルマーク活動で、学校の備品を購入するのは、文部科学大臣により認可されている活動のため問題ありません。
(公益財団法人ベルマーク教育助成財団が文科省の認可を受けている活動で、参加できる団体は、PTA等、大学等、社会教育施設等の学習団体等になります。)


④PTA会費からの支出、OK例とNG例(市P協の見解、参考)

NG例

・学校にある備品の維持費
・エアコンの修繕費やクリーニング代
・カーテンのクリーニング代
・サッカーゴールやバスケットボールゴールなど
・テント※但し子どもたちの熱中症対策として学校の最低限以上に必要な場合などはOK
・消耗品(コピー用紙や文具など)※但しPTA備品として購入はOK
・遊具※但し学校に「寄附採納」の処理をしてもらえばOK

OK例

・クロームブックの保護フィルム購入
・周年事業記念碑や記念品

 

■参考

●学校への『寄付採納』について
PTAから学校への寄付がOKになる場合もあります。但し以下の条件があります。
・学校に「寄附採納」(自治体に「〇〇を寄付します」という意思を示し、自治体がこれを受諾することにより成立する契約)の処理をしてもらう。
・寄付・寄贈には、PTA会員の了承が必要。自分の意思で入会した会員(任意加入で入会届を取っている)が参加する総会での議決が必要。

●遊具などにおける注意事項
寄附採納をしていない遊具は、PTAの所有物という扱いになるため、PTAの管理となります。将来の修理、廃棄などはPTAが行うことになりますし、その遊具が原因で事故が起こった場合は、PTAが管理責任などを問われるケースもあるため注意が必要です。

●PTA会費の余剰などで、寄付・寄贈を考えている場合は以下をご検討ください。
・全児童・生徒にクリアファイルやタブレットケースなどの学用品や図書カードを贈る。
・会費の余剰分を返金、または次年度の予算に組み込み、会費を一時的に減額。
・打上げ花火など、子どもたちに向けたイベントの開催。 ←市P協のHPでPTAイベントの情報を公開しています。ご参考になさってください。

 

 

 

■周年事業の寄贈に関して(2023/12/1追加)

PTA会費から学校への寄附は
①公費で賄われるものはNG
②100%任意加入である
③PTAからの自発的な寄附である事
④総会の承認が必要
⑤寄附採納の手続きが必要

 対象品によってはPTA備品として設置するなども考えながら、子どもたちの楽しく健やかな学校生活の応援をしていくのが基本的な考え方になります。
 では周年事業はどうでしょう。周年事業は在校生はもちろん膨大な数の卒業生、地域皆さんにとってのシンボルとしての学校の歴史を祝う記念事業です。記念品の寄贈は通常のPTAの寄附とはちょっと違うと言えましょう。しかしここでもPTA会費で賄うわけですから、公費で賄うべきものの寄贈は避けなくてはなりません。
 ただ、公費、私費をあまりきっちりやってしまうと、モニュメントや植樹も実は公費で賄うべき「学校施設整備・維持管理」つまり、校舎や体育館、グラウンドやプール等の学校施設の整備に係る経費や維持修繕経費、校内や敷地内の環境整備に係る経費に当たりそうです。寄附が許される範囲では全校生徒に渡す記念品くらいしかありません。

 PTA会費で賄われるもの
・PTA活動費(会議費、講演・研修会費、広報活動費、懇親会費、美化作業や地域連携などの各種活動経費)
・PTA運営費(事務費、通信費、交通費、備品費、調査研究費、保険料)
・その他(児童、生徒活動奨励費、慶弔費、卒業記念品や運動会参加賞など)。

 この中で周年事業という特別な学校のイベントに対して本当の意味での「子どもたちや学校にも有益なもの」を贈るのは実は難しいと思います。周年事業に関しては授業で使うもの(ゴールポストや黒板や跳び箱など)や施設の修繕費など公費で賄うべきあからさまなものはNGですが、例えば記念植樹や記念花壇、記念碑などもきちんと総会で事業を承認されるのであれば良いのだと思います。記念品として認められると考えられる一般的なケースとしては、児童生徒全員に渡すクリアファイルなどの記念品、教室につかうウイルス対応空気清浄機やCO2モニター、児童生徒全員に渡すクロームブックケース、美化運動用の備品一式などがあります。花火打ち上げや卒業式などで壇上の子どもたちの顔が保護者にも大写しで良く見えるための大型モニターなどもきちんと総会で承認を受ければ良いでしょう。

※すでに周年事業として購入品も総会で承認を得ている場合、今回NGとされている品目が入っているケースでも、総会で会員の同意、承認がある事、そこに向けて準備がされている事などを総合的に判断されてそのまま進める事も選択肢だと思います。

投稿日:2023年5月28日 更新日:

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